>パルサー数理教室メイン>「パルサー」って
パルサーは星の名前です。
今から40年以上も前のこと、それまでの常識を破る不思議な星が発見され天文学
者達を悩ませました。
その星は何と1秒間に数十回の電波のパルスを規則正しく送ってきていたのです。
パルスを規則正しく送る星。そこからパルサーと名付けられました。
これほど規則正しくパルスを送ることは、実はとてつもなく不思議なことなのです。
進化した宇宙人からの信号かもしれないと考えた人もありました。ですが、調べると
そうではありませんでした。
不思議その1 星の大きさが小さすぎる
パルスの周期が星から規則正しく出るためには、星の大きさが電波がパルスの
1周期の間に進む距離よりも小さくなければなりません。(難しいかな??)
それから、パルサーの大きさを推測すると地球の2倍程度となりました。
そんな小さな星が、強力な電波や光を出すことは常識では考えられないことでした。
不思議その2 小さいけれどとてつもなく重い星
星の重さを調べてみました。
(どうやって星の重さを量るか??天秤では無理ですね。調べましょう。)
それによると、パルサーは太陽に匹敵するくらいの重い星です。
地球程度の大きさで、太陽の重さ。角砂糖1個の重さが何と1000億トンにもなって
しまいます。そんな物質はこの地球上にはありません。
パルサーの正体は中性子星
物質は原子でできています。原子は原子核と電子からできています。その原子核は
さらに陽子と中性子からできています。(現代科学は、それらはさらに素粒子でできていて、
素粒子はさらにクウォークという粒子からできていることを明らかにしています。)
パルサーはまさに中性子でできた星だったのです。
中性子はどうやってできた?
夜空に輝く星達は、太陽のように自分から光を出し「恒星」と呼ばれます。恒星には寿
命があり、太陽は約100億年の寿命と考えられています。太陽が誕生してから50億年
程度ですから、後50億年は光り続けることになります。
では恒星が寿命がくるとどうなるでしょう。
多くの星は、最期になると数千倍にもふくらんだあと、爆発を起こし小さな「しん」を残し
華々しく散っていきます。
太陽程度の大きさの星は、しんが次第に冷えて「白色矮星」という小さな星になり、ゆっ
くり冷え冷たくなって、宇宙の中に消えていきます。
太陽の数倍以上も重い星は、爆発の衝撃が激しく、しんはすごい圧力で中性子になる
まで押しつぶされ、中性子星となります。これがパルサーです。
さらに、太陽の数十倍の重さの星は、爆発の衝撃がさらに強烈で、中性子星すら押し
つぶさ、もはや物質となっていることはできません。これがブラックホールです。
星の最期は生命の始まり
宇宙のはじめには、物質は水素しかありませんでした。生命を作る炭素や酸素、あるい
は鉄や金などの金属はどこで作られたのでしょうか? 実は恒星がその製造交渉なのです。
恒星の中では光り続けている間に核融合反応で水素がヘリウムに変わります。
ただ、多くの星はそこまでです。
人間の体を作っている酸素や炭素などの大部分は、恒星の最期の大爆発のときに、爆
発の激しさの中でいろいろな原子が結びついて合成されるのです。
私たちの体を作っている原子は、過去に宇宙の片隅で爆発した星の名残なのです。
今の人類、あるいは地上の生物を作っている原子は同じ星から作られたもので、地球を含
めてすべてが兄弟なのかもしれません。